IOTA2008 月による星食の観測報告書式 IOTA2008 Report format for lunar occultation observations VERSION 1.0 1 September 2008 (邦文訳 rev.0.4 宮下和久(星食観測日本地域コーディネーター) Jan.02 2009) ************************************* * Header group. * // ヘッダ ************************************* カラム : (書式) 記述 Line 1 1- 10: (A10) 'Place name'と記入 // 観測地名 16- 65: (A50) 観測地の最寄りの町または地形等の目印および国名。カンマ区切りで記述。 [50文字が記述範囲] 番地等は不要である。 66- 67: (A2) CR/LF Line 2 1- 13: (A13) 'Email address'と記入 16- 75: (A60) メールアドレス。(整約結果を観測者にお知らせするのに利用される。データセンターには 登録されない。) 76- 77: (A2) CR/LF Line 3 1- 14: (A14) 'Representative'と記入 // 観測代表者 16- 75: (A60) 観測報告を提出した人の名前。(データセンターには登録されない) 76- 77: (A2) CR/LF Line 4+ Optional Message // メッセージ 1- 14: (A14) 'Message 'と記入 16- 75: (A60) 観測報告を受け取る人(地域コーディネーター)へ伝えたいメッセージを記入。データセン ターには登録されない。 76- 77: (A2) CR/LF 注意 - このメッセージ行は続けて数行にわたり記入することができる。 ************************************* * Site group * // 観測地 ************************************* カラム : (書式) 記述 1 : (A1) 'T'と記入 2 : (A1) 観測地コード(A-Z, a-z) 3- 4: 空白 5 : (A1) 望遠鏡の形式 R 屈折 [アクロマート、アポクロマート、双眼鏡、カメラレンズを含む] N ニュートン反射[ドブソニアン、シュミットニュートン、マクストフニュートン、 ジョーンズ-バード*、シーフシュピグラーを含む] * Jones-Bird 球面の主鏡+接眼部の補正レンズで構成された、ニュートン式に似た望遠鏡。 C カセグレン [シュミットカセグレン、マクストフ、リッチークレチアン、ドルカー カムを含む。] O その他、肉眼観測を含む。 <> 不明 6 : (A1) 架台 <> 不明 E 赤道儀 A 経緯台 7 : (A1) 駆動装置 <> 不明 D 自動追尾 M 手動追尾 8 : 空白 9- 12: (I4) 望遠鏡の口径 (cm) - 四捨五入してcmで表す。 13- 14: 空白 15- 18: (I4) 望遠鏡の焦点距離 (cm) - 四捨五入してcmで表す。 19- 20 空白 21 : (A1) +(東経)または -(西経)。空白の場合は、+(東経)として扱われる。 22- 24: (I3) 度 (経度) 25- 26: (I2) 分 (経度) 27- 31: (F5.2) 秒 (経度) 望遠鏡の不動点の位置。 経度の値が測量により得られたものでない場合は、小数点以下第1位までの記入とすること。 32 空白 33 : (A1) +(北緯)または -(南緯)。空白の場合は +(北緯)として扱われる。 34- 35: (I2) 度 (緯度) 36- 37: (I2) 分 (緯度) 38- 42: (F5.2) 秒 (緯度) 望遠鏡の不動点の位置。 緯度の値が測量により得られたものでない場合は、小数点以下第1位までの記入とすること。 43 空白 44- 45: (I2) 測地系(水平)コード 84 WGS84 (世界測地系) および同等の測地系 [推奨] (これは、1983年以降に制定された各国の測地系および、GPSのネイティブな出力を 含む。) 日本では測地系として下記のJGD2000が用いられているが、星食観測に用いる上では WGS84 も JGD2000 も全く同じものとして扱ってよい。したがって、下記の46 のよう な測地系を用いる場合を除き、全てこの 84 を用いること。 85 JGD2000(Japanese Geodetic Datum 2000)。 これは本項の説明のために記載するものであり、報告には上記の84を用いること。 2002年(平成14年)4月1日の「測量法及び水路業務法の一部を改正する法律 (平成13 年法律第53号)」の施行に伴い、それまでの日本測地系に替えて、世界測地系に基 づく日本測地系2000(JGD2000)が用いられるようになった。 46 旧日本測地系(Tokyo Datum)。2002年3月以前に用いられていた測地系。古い地形図 から求めた経緯度は、これに基づいた数値となる。世界測地系(WG84)により求める ことが困難な場合を除いて、報告には用いないこと。 *測地系について不明な場合は、コメント行にその旨を明記し、コーディネーターに ご相談ください。 10 Google Earthを利用した。 <> 不明 46 空白 47- 52: (F6.1) 高さ (メートル) [-999.9 から +9999.9の範囲]。 望遠鏡の不動点における高さ。 高さが測量により得られたものでない場合は、整数表記とする(小数点以下は記入しない) こと。 53 : (A1) 高さの測地系コード M 標高(平均海面からの高さ) [推奨] 高さは、地形図から求めた標高の値を記載することを推奨する。その場合は、この 'M'を記入する。また、GPSユニットが標高を出力していることがわかっている場合で、 その出力値を用いた場合もこれに含める。 E 楕円体からの高さ。 [GPSユニットが楕円体からの高さを平均海面からの高さに変換しないときに用いる。] <> 空白 54- 55: (A2) CR/LF ************************************* * Observer group * // 観測者 ************************************* カラム : (書式) 記述 1 : (A1) 'O'と記入 2 : (A1) 観測者コード(A-Z, a-z) 3- 4: 空白 5- 29: (A25) 観測者名。 同一場所に複数の観測者がいる場合は、その場所の観測代表者のみを記載。 名前はアスキー文字(半角英字)を用い、(フランス語等にある)アクセントはつけないこと。 30 : 空白 31- 75: (A45) 観測者のメールアドレス。 もしアドレスが45文字を超えた場合は、記入領域を拡張するこ とができる。 76- 77: (A2) CR/LF ************************************* * Observation group * // 観測 ************************************* このグループは諸観測項目を記述する。一つのレポートについての観測数の上限はない。 カラム : (書式) 記述 1- 4: (I4) 年 ['2008'のように、4桁の数字で記入する] 5- 6: (I2) 月 7- 8: (I2) 日 9- 10: (I2) 時 11- 12: (I2) 分 13- 18: (F6.3) 秒 小数点以下の数値は、精度に応じて以下のように記入する。 [眼視 - 小数点以下第1位; ビデオ - 小数点以下第2位] * 現象時刻の求め方については、カラム53(光量レベル)の解説を参照のこと。 19 : (A1) 星表 / 天体の種類 R Zodiacal Catalogue (ロバートソン獣帯カタログ) S SAO catalogue (スミソニアン天体物理観測所星表) X XZ80Q catalogue (星食観測用星表 http://cdsarc.u-strasbg.fr/viz-bin/ftp-index?/ftp/cats/aliases/X/XZ80Q) A 番号が登録されている小惑星 P 惑星とその衛星 U 上記各項目では特定できない天体 (暗い星で、GSCカタログ記載のものを含む。) 20- 25: (I6) 星表番号 上記がUの場合 - 空白 惑星の場合は4桁の数字、pmmm で表される : p = 惑星番号 mmm = 衛星番号。 惑星本体の星食は、000 と表される。 (例) 水星 = 1000, 木星 = 5000, ガニメデ = 5003, タイタン = 6006 小惑星には小惑星の番号をつけること。 [番号を持たない小惑星は指定できない。] 26 : (A1) WDS(ワシントン重星カタログ)に記載された、重星のコンポーネント記号(A - Z, a - z) 27 : (A1) 現象 D 潜入 R 出現 B まばたき(一時的な潜入(潜入後すぐに出現))。 現象時刻の欄には減光の中央の時刻を記入。 ふつうは接食のおりに起こるが、接食に近い状況でも起こる可能性がある。 継続時間は、カラム48に記載する。継続時間は以下のように記載する。 ビデオの場合は、部分的な減光(現象前の光量の25%以上)を意味する。 眼視の場合は、潜入と出現の時間が接近していて、それぞれの現象時刻を特定でき ない場合に用いる。 F 閃光(一時的な出現(出現後すぐに潜入))。 現象時刻の欄には増光の中央の時刻。 ふつうは接食のおりに起こるが、接食に近い状況でも起こる可能性がある。 ビデオの場合は、部分的な増光(現象前の光量の25%以下)を意味する。 眼視の場合は、出現と消失の時間が接近していて、それぞれの現象時刻を特定でき ない場合に用いる。 M 通過。 星が観測または予報されていた月縁の最も高い部分の上を通過したと考えら れる時刻。他の観測者が接食の潜入または出現の現象を観測できた場合のみに用い る。 S 開始または再開。 接食観測のみに用い、観測を開始した時刻を示す。 E 終了または中断。 接食観測のみに用い、観測を終了または中断した時刻を示す。 O その他。 [ILOCによりSまたはEの代わりに用いられた。] 28 : (A1) Limb D 暗縁 B 明縁 (月食の半影を含む) U 月食中の本影の中 29 : (A1) 接食フラグ G 接食 <> 通常の星食 30- 33: (F4.2) 個人差補正. 0.00 から 9.99秒の範囲で。 空白は個人差を考慮しなくてもよい場合。 34 : (A1) 個人差補正の扱い S 個人差は観測時刻から差し引かれている。 A = S, しかし、個人差は推定値である。 [ILOCの観測との互換性のため] B = S, しかし、個人差は不明である。 [RGOの観測との互換性のため] A , B とも、以前の報告の処理に用いられるためのものである。今後の報告には 含めないこと。 U 個人差は報告された時刻からは差し引かれていない。 E 個人差を考慮する必要のない測定法である (ビデオ、光電測光、目耳法等) X 個人差補正がなされたかどうか不明である。 35 : (A1) 時刻測定と記録の方法 G 時刻信号の挿入されたビデオ。時刻はフレーム解析(コマ送り)から得られた。 * 時刻信号は、タイムインサータ、LEDの光、音声、NTP のいずれでもよい。 V 正確な時刻はわからないが,相対的な時刻はコマ送りにより精度良く得られている もの。 M ビデオを再生しながらストップウォッチなどで時刻を求めた場合。 S ストップウォッチ (眼視観測) T テープレコーダー (眼視観測) E 目耳法 P 光電観測 K キータッピング - コンピュータのキーボードを叩くのも含むs X クロノグラフ C カメラと時計 36 : (A1) 時刻測定の方法と記録 (2) 複数の機器を組み合わせて用いた場合には、上記(35)と同様の記号を記入。 必要のないときは空白にする。 また、以下のような場合には、'A' と記入する。。 A 接食の際に、時刻信号を入れるのに失敗し,相対時刻しか求められない場合に、近 くに布陣した人の観測と比較して絶対時刻が求められるという場合がある。そのよ うにして時刻が得られたとき。 37 : (A1) 基準時刻信号 G GPS (1PPS出力を用いる。1PPS出力は、タイムインサータ、LED光、音声信号な どの形に変換されて、観測に用いられる。) GPS装置のディスプレイ画面の時刻表示は遅延がある場合があるので、これに含めな い。 R ラジオの音声信号 (標準時報) N ネットワークタイムプロトコル (NTPソフトウエアを用いている場合) C 時計 (標準時報に合わせてある) T 電話(固定電話 117)の時報。(携帯電話は遅延があるのでこれに含めない) M 標準時の信号に関連づけられた媒体。 O GPS のディスプレイ画面に表示された時刻, NTPで補正されていないコンピュータの 時計など、精度の低いもの。(携帯電話で聞いた時報もこれに含める。) 38- 42: (F5.3) 時刻精度。 0.000 から 9.999秒の範囲で。 特定できない場合は空白。 43 : (A1) 確実性 1 確実である 2 やや疑わしい 3 かなり疑わしい 44- 46: (F3.1) S/N比 (ビデオおよび光電観測用)。 0.0 から 9.9の範囲。 関係がない場合や得られない場合は空白とする。 47 : (A1) 重星 <> 重星としての特徴のない現象(通常の現象) W 先行星 (西側にあるコンポーネント) E 後続星 (東側にあるコンポーネント) N 北側にある星(コンポーネント) S 南側にある星(コンポーネント) B 明るい方の星(コンポーネント) F 暗い方の星(コンポーネント) 48- 52: (F5.3) 瞬間的でない現象の継続時間。 0.000 から 9.999秒。関係がない場合は空白にする。 解説: 星食における光量の変化は、光の回折の影響で、減光直前に光量が最大になり(ピー クをつくり)、その後だんだんに減光することが多い。(増光の場合には減光時と逆 で、増光直後にピークができる。)ビデオ観測の場合には、ピークのフレームから ほぼ星像が見えなくなったフレームまでに要した時間を求めて記入する。ビデオの場 合には小数点以下2桁とする。 53 : (A1) 現象時刻を決定するのに用いた光量レベル (ビデオおよび光電観測用。現象が瞬間的でな い場合に用いる。) <> 指定しない / 関係していない T 25% (点光源のFresnel回折と一致) F 50% (視直径のある恒星の場合) 解説: 星食現象において、星は瞬間に消える(現れる)様に見えるが、光の回折によりわ ずかに時間がかかる。多くの恒星は点光源と見なすことができ、その場合は、星、 月縁、観測者が一直線になったとき(幾何学的現象時刻)に、星の光量は、星食を 起こしていない場合の25%となる。 接食など、月の進行方向と月縁が平行に近い場合には、ゆっくりとした増減光が見 られることが多い。その場合、現象時刻は、星の光が完全に消えた時ではなく、上 記の25%になったときである。光電観測では、グラフから25%になった時刻を読み取 る。 また、ビデオ観測でLimovieを用いる場合は、回折フィッティング機能を用いて現象 時刻を得る。 なお、恒星の視直径について考慮が必要な場合は、光量が50%の時を読み取ること。 この項目は、ゆっくりした増減光について記載する項目であるから、通常の星食で 瞬間的に消えた(現れた)現象について指定する必要はない。しかし、瞬時に見え る現象においても光の回折は起きている。したがって、瞬間的な現象における現象 時刻とは光量が25%となったフレームの時刻であり、それは、 i 潜入時: 星像が見えなくなったフレーム ii 出現時: 星像が現れる直前のフレーム により求められる。「星が明るく見えるフレームではない」ことに注意しなければ ならない。 54 : (A1) 大気の安定性 <> 指定なし 1 よい 2 普通 3 悪い 55 : (A1) 透明度 <> 指定なし 1 よい 2 普通 3 悪い 56 : (A1) 特記事項 (以下のうち、最も顕著なものについて記載する。) <> 特記事項なし 1 緩やかな増減光[瞬間的でない増減光] 2 暗縁が見えている 3 眼視観測で、現象時に、視野の中央になかった。 4 星が暗い 5 薄雲を通しての観測 6 雲が多い 7 風が強い 8 強い薄明 9 昼光の中での観測 (太陽高度が-6度より高いとき {civil twilight*}) * Civil twilight(常用薄明)太陽高度−50分〜−6度。明かりがなくても 屋外で活動できる明るさ。 57- 59: (I3) 気温(摂氏)-49 から 50の範囲で。不明の場合は空白。 60 : (A1) 観測地コード (A-Z, a-z) 61 : (A1) 観測者コード (A-Z, a-z) 62- 63: (A2) CR/LF **** Comment Line **** 現象を記録する行に続けて、フリーテキストのコメント行を書くことができる。コメント行は次の書式で記入 する。 1- 4: (A4) ' ' (コメントラインであることを示す4つのスペース) 5- 59: (A55) フリーテキストのコメント 60- 61: (A2) CR/LF GSCカタログの星を指定するのに使用される形式: 1- 4: (A4) ' ' (コメントラインであることを示す4つのスペース) 5 : (A1) 'G'を記入 6- 9: (I4) GSCフィールド番号 10- 14: (I5) GSCフィールド内番号 15- 59: (A45) フリーテキストコメント 60- 61: (A2) CR/LF *** 重要: このコメント行は、データセンターには登録されない。*** 注意 全てのテキスト領域[Ax]は、左詰で記入すること。 全ての整数の領域{Ix}は、右詰で記入すること。 全ての小数領域は、小数点に合わせること。 小数点以下の桁数は、報告されるデータの精度により決定すること。 数字が記載されない部分は、空白とし、0で埋めないこと。 報告ファイルの観測現象数の上限はない。 それぞれのグループの区切りは、一つの空行(文字数ゼロ+CRLF)とすること。 ******************************************************************************************************** VERSION history V 1.0 1 September 2008 Released ********************************************************************************************************