The newest version Limovie 0.9.25.





Mar.4 2007

Star Tracking Anchor モードが正しく動作しない” バグを修正しました。

Feb.4 2007

重星でない通常の星についてDiffraction fitting機能を用いると、現象時刻のオフセット時間が正常に表示されない不具合を修正しました。
シンチレーションノイズを調べるためにFFTによる光量変化の周波数スペクトル分析機能(簡易版)を加えました。

Jan.15 2007
Ver.0.9.25b

ApertureXY座標をCSVに記録できない(Ver.0.9.25)不具合を修正しました。
新機能 Gamma Reverse Correction(ガンマ”逆”補正)をつくりました。ノイズ低減にも効果があります。
二重星用のDiffraction Fitting機能を加えました。近接重星についても現象中央時刻を推定することができます。

Dec.24 2006
Ver.0.9.25

Diffraction Fittingのコードを改良し、精度を向上させました。
誤差を、3σから1σに変更し、グラフ中に表示されるようにしました。
いくつかの不具合を修正し、正式バージョンとしました。

Nov.23 2006
Ver.0.9.25 rc7

Fit to Diffraction Curve 機能で、Lunar Distance の値が200kmを超えるとエラーとなる不具合を修正しました。

Nov.21 2006
Ver.0.9.25 rc6

(1)Field Measureモードでグラフをクリックしたとき、グラフ上の点とは異なる画像が表示されてしまう不具合を修正しました。
(2)
星像表示用3Dグラフの向きを1クリックで0°に設定できるよう改良しました。
#
これらの点は、Tony Georgeさん(USA)にご指摘いただきました。
(3)Field
測光時に、OffsetおよびContactAngle,Errorの数値が正しくなかった点を修正しました。
(4)
1回の測定中にFrame測光とField測光が混在しないように改良しました。

Nov.19 2006
Ver0.9.25 rc5

CSVファイル読み込みに関する不具合を修正しました。
Diffraction Fitting
のサンプリング数がField Measureモードのとき30となっていた問題を60に修正しました。

Nov.12 2006
Ver.0.9.25 rc4

グラフ表示に関する不具合を修正しました。
本文中、月の影の速度を求める式に誤りがあったのを訂正しました。



ダウンロード

Limovie 0.9.25d
Limovie
の新バージョンVer.0.9.25dです。Ver.0.9.25について、新機能も含め、いくつかの改良をおこないました。


解析例はこちらをご覧ください。


このバージョンは、論文

「ビデオ画像用光量測定ソフトウエアLimovieの開発と星食観測への応用」 宮下,早水,相馬 国立天文台報 9 2-28 (2006)

にまとめた内容を、ソフトウエアとして利用できるようにしたものです。
論文は、国立天文台のWebページで閲覧できます。
 国立天文台のWebページ(図書室) の一番下です。
 PDFファイルダウンロードのための直接リンクです


1.グラフ表示機能
2.回折シミュレーションとのフィッティング機能
3.CSVファイル読み込み機能
など、Limovieをより有効に観測や解析に活かすための様々な新機能を持っています。

また、次の新機能をはじめ、IOTAの方々の様々な提案や試みにより、大幅な機能拡大をおこなうことができました。

4.複数の対象の同時測定機能
は、Tony George さん(USA) が、操作性も含めて提案してくださったものです。

5.AVIファイル読み込みの制限を取り除く、AVISynth への対応がなされました。
これは、小惑星の予報で有名なSteve Prestonさんが見つけてくださった方法です。
Windows Movie Maker
を使ってキャプチャしたAVIファイルを、直接Limovieから読むことができます。

6.ガンマ逆補正機能 (Gamma Reverse Correction)
ガンマ補正されたビデオ画像を、「元に戻す」機能です。光量測定を正確に行うための機能ですが、ガンマ補正により持ち上げられたノイズを低減させることもできます。

7.二重星の回折についての解析機能
接近した二重星は、回折光が重なって現象時刻が分かりにくくなります。そのような場合についても正確に時刻を解析するとともに、重星の位置関係についての情報が得られるようにしました。




新機能

Ver.0.9.25cの新機能》


6.ガンマ逆補正機能 (Gamma Reverse Correction)

星食観測によく用いられるWAT100Nには、ガンマ補正機能があります。これらの高感度カメラは夜間の監視用として用いられることが多く、影になって照明が当たらない部分なども見やすくする機能が必要とされます。天文用、特に星食観測では、対象星が暗い場合などに、確認のために必要となります。しかし、光量を測定して回折の影響を調べたり等級を推定したりするときなどには、それらの測定が正確にできない原因となってしまいます。そこで、カメラが与えたのと逆の補正をおこなえば、CCDでつくられた元の画像が再現できることになります。幸い、ガンマ補正は指数または対数で表される単純な形の補正ですので、Limovieがファイルから読み込んだ画像に対して処理を行いながら表示させることにしました。これにより、ファイルはそのままで、表示と測定を処理後の画像で行うことができます。

以下のように操作すると、機能が実感しやすいと思います。

(1) ノイズの多い画像を選んで読み込みます。

(2) Dグラフで星像を表示します。

(3) ガンマ逆補正機能にチェックをして、

(4) 0.45WAT100NHiの値)にします。
画像再生や光量測定も、ガンマ""補正したまま可能です。


7.重星の回折解析機能

重星の回折パターンを計算し、観測値と比較することにより、現象の時間差と接地角を推定する機能です。

(1) 小惑星・月までの距離を入力します。

(2) 影の移動速度(小惑星・月の方向に垂直な面内の)を入力します。

(3) 後から潜入した星、または先に出現した星について、全体の光量に対するその星の光量の比を百分率で入力します。

(4) 推定される現象の時間差をミリ秒単位で入力します。

(5) Double star analyzing にチェックをし、Fit to Diffraction Pattern ボタンをクリックします。

(6) (3)(4)についていくつかの値を入力してフィッティングをおこない、Least Squaresが最も小さくなる場合を探します。

(7) 重星のふたつのコンポーネントの時間が、赤く選択されたフレームに対するオフセット値としてミリ秒単位で表示されますので、それから現象時刻を求めてください。



Ver.0.9.25の新機能》
1.グラフ表示機能

機能と操作性の簡素化を図るために、これまでグラフ機能をつけていませんでした。
しかし、正確な時刻の解析を第一の目的とするソフトウエアとしては、測定のたびに表計算ソフトを起動しなければならないのは不便です。測定を簡単で迅速に行えるようなグラフ機能を工夫してみました。

グラフ機能の使い方
(1)
測定をする ( Measurement Start → Stop)
(2) Graph
ボタンをクリック

(3) 光量が25%と考えられるグラフ上の点をクリック

(4) Narrow ボタンを押す。

(5) 報告は...

(6) クリップボードにコピーできます
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表示したグラフを、レポートやWEBづくり等に簡単に利用することができます。

2.より正確な時刻を (回折のシミュレーションとの比較)

恒星が点光源だと考えられる場合には25%の光量になったときが幾何学的現象中央時刻 (恒星と月縁と観測者が一直線上になった状態) です。
グレージングなどでゆっくりした光量変化がとらえられた場合、光量25%のフレームを特定することが課題となります。
そこで、計算により求められた回折の影響(シミュレーション)と、実際の光量変化を比較し、現象中央時刻を推定する機能を用意しました。
回折シミュレーションについての詳細は、
[
参考] 国立天文台報 9 2-28 (2006) p13 4-1回折における光度変化, p14 14, および p18 18 をご覧ください。
数式はともかくとして... Limovieでの操作は簡単です。

回折シミュレーション機能の使い方
(1)
グラフの横軸のスケールを4から8にしておくことをお勧めします。
(2)
グラフ上の、現象時刻付近の点をクリックし、選択された状態(赤色)にしておきます。
#
このとき、25%のところではなく、その前後の、光量がゼロ付近になった位置を選択しておく方がよい結果が得られます。
(3)
グラフ表示ウインドウの中の Diffraction ボタンをクリックします。
# Fresnel Diffraction
の操作ウインドウが現れます。
(4)
月までの距離(km) と、月の影の速度(m/sec) を入力します。(単位に注意してください。)

(5) Processing を、for Grazing (Obtain Time and Angle) にセットします。

(6) Fittingボタンをクリックします。

(7) 推定の精度を高める


3.月の形状の推定
Change Speed of Fresnel Pattern
に示された Contact Angle の値は、月の進行方向と垂直な方向に対する月縁の方向のなす角です。これをもとに、月縁の地形(傾き)を推定することができます。
詳しくは、国立天文台報 9 2-28 (2006) p18、およびp19 20をご覧ください。

4.CSVファイルの読み込み

保存してあるCSVファイルからグラフを表示させるために作成した機能です。
CSV
ファイルに記録されたファイル名(パス)を読んで、AVIファイルも同時に読み込みますので再解析に便利です。
また、Exelなどを使って移動平均やメディアンフィルター処理を行い、Limovieから再度読み込むと、それらの結果をグラフに表示することができます。

5.AVISynth の利用

Avisynth self-extracting archive (*.exe file)
をパソコンにインストールすると、AVI Type1のファイルも読めるようになります。
これまでLimovieは、AVI Type2のファイルしか読むことができず、そのため、キャプチャの仕方に工夫が要り、最長440秒という制限もありました。
AVISynth
を用いることにより、これらの点を解決することができます。
この手法は、Steve Preston氏が発見しました。また、氏は、更に進んで、ソフトウエア上でゲインを上げたり、移動平均をしたりする方法についても紹介しています。詳しくは下記をご覧ください。
Using Avisynth with LiMovie

Limovie
からAVISynthを利用するには、

(1) AVISynth
をインストールする
#
これまで使用していたコーデックはアンインストールしておいたほうがよいと思います。
(2) Update Setting Items
ボタンをクリック。
(3) Use AviSynth
にチェック。
(4) Update .INI file
ボタンを押す。
こうすることにより、AVISynthの動作に必要な.AVSファイルが自動生成され、通常のコーデックを用いているのと同じ感覚でAVIファイルの解析を行うことができます。

6.複数の対象の同時測光

減光量のわずかな食現象が確かであるかを判断したり、うす雲の影響を除いたりするためには、複数の恒星について測定をおこない、比較することが有効です。
従来Limovieは、一つの恒星しか測れなかったために、測定作業を複数回おこない、結果は表計算ソフト上でそれらを貼り付けて解析する。という方法に頼らざるを得ませんでした。
このバージョンでは、画像領域でマウスの右ボタンをクリックすることにより、対象星を3個まで増やすことができます。
グラフも合わせてまたは個別に表示されます。