2008年12月11日

星食観測者の皆様、

IOTA星食観測コーディネーター Dave Herald
同 日本地域コーディネーター 宮下和久

2002年から2008年9月にILOCが収集した星食観測について、再整約へのご協力のお願い

日頃より貴重な観測結果をお寄せいただいておりますことに、心より感謝申し上げます。
さて、IOTAは、2008年10月よりILOC(海上保安庁)から月による星食の観測の収集管理業務を引き継ぎましたが、これを機に、過去400年間に世界中でなされた観測について、統一されたフォーマットで記述し、VisieRを通して天文データセンターに保管・登録を行います。
この作業を計画する過程で、2002年から2008年にかけてILOCにより作成された年次報告のファイルの一部に、データの欠損があることがわかりました。IOTAでは、この問題に対する最もよい解決法として、この期間にILOCが受け付けた全ての観測報告について再整約を行うことを決定し、ILOCより、上記期間内の全ての観測報告の提供を受けました。
準備が整いましたので、IOTAのコーディネーターにより、間もなく再整約が開始されます。この作業は、数ヶ月間続くと予想されます。コーディネーターが整約を行うとき、整約結果を、ご報告いただいたファイルの中に記載されたメールアドレスにお送りすることになります。もしあなたがILOCに観測報告をしており、報告書にあったメールアドレスが現在も使われている場合は、IOTAによる新しい整約結果を受け取ることになります。 新たな整約結果とILOCがあなたに送った仮整約の間には、O-Cの値として、多くの場合0.2〜0.6秒角ほどの違いがあります。その最も大きい要因は、月縁の補正です。予報値の基準として使われる月縁は、新しい観測により常に補正・改良されておりますので、その補正値からの差としてのO-Cの値にも違いがでてくることになります。また、更に、最新の月の暦(JPL DE-421)を用いていることによるわずかな差も含まれています。
整約結果は、以下のような英文のご案内と共にメールでお届けします。

整約をお伝えするメールの例

お忙しい中恐縮ですが、整約結果が届きましたら、O-Cの値をご確認ください。グレージング観測の開始・終了を記述したコードでは大きな値を持つのが普通ですが、星食現象を記載した行について、大きなO-C(2.0以上)が表示されているようでしたら、観測についてご確認いただければ幸いです。その結果として、ご報告に変更が生じましたら、次のいずれかの方法でご連絡くださいますようお願いいたします。
(1) 直接英文で、整約担当のコーディネーターまで返信する。
(2) 日本地域コーディネーターまで、邦文(日本語)で連絡する。(届いた整約メールを転送ください。)
今後とも、星食観測をよろしくお願いいたします。