星食観測により検出されたSAO146362 (lambda Aquarii) のコンポーネント


岡山県総社市の監物邦男氏から、表記の観測についてのLimovieによる解析結果の.csvファイルをお送りいただいた。

氏によると、主星の約0.9秒前に出現した暗い星を確認できたとのこと、この伴星は8等くらいだろう。とのことで、以下のデータをお知らせいただいた。

VHSからコマ送りで読み取った時刻は

伴星;13h 25m 57.84s +/- 2Fr JST

主星;13h 25m 58.76s +/- 1Fr JST でした。


観測位置および観測機材は次のとおりです。

観測位置;東経 133°44’ 52.6” (世界測地系)

北緯  34°41’ 40.3”

H 53

観測機材:VIXEN VC200L f;1800mm F9+Watec 902H2

保時;GHS+TIVi

今回902H2の設定は次のようにしまた。

GAIN;AGC LO

Shutter speed ; 8(1/601/100000)

Gamma; OFF


この0.9秒間の僅かな光量の増加部分が伴星によるものであるかを調べるために、Half Flux Diameterによる検証をおこなった。

結果は、次のリンクの後半に記載してある。


Half Flux Diameter について −数値の意味と、星像の有無の判別への応用−


以上より、ビデオのモニター画面における観察とHFDの結果から考えて、伴星の存在は確かであると考えられる。


Radial Velocity 0.499arcsec/second であることから、平均月縁に垂直な方向の成分として0.46秒角離れた位置にあることになる。

また、ゲインが高く、主星の星像が飽和していることから正確な見積もりはできないが、測定値を正しいものと仮定すると、


となる。主星は変更星であることが知られているが、合成等級を3.7等級と仮定すると、伴星は8.2等級となる。サチレーションを起こしていることを考えると、更に暗い星であることが考えられる。