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GHS時計等のGPSを用いた時計装置は、UTCに同期したLEDの点滅により時刻信号を出力します。 この光の信号は、ミリ秒単位の精度を持っていることから、星食のようすと同時に何らかの形でCCDを照射すれば、 きわめて正確な時刻記録をおこなうことが可能です。 CCDにLEDの光を記録する方法としては、
(a)明視野照明 : 望遠鏡の主鏡の前からLEDの光を入れ、視野全体を明るくする方法
(b)暗視野照明 : CCD面の一部のみにLED光を照射する方法
のふたつが考えられます。
筆者も、これまで針金の先にLEDをつけたものを望遠鏡のフードに固定するという簡単な方法で明視野照明として記録してきました。
ところが、LEDは先端にレンズがついており、少しでも向きが変わると視野が光らなくなってしまうことや、 視野が明るくなって暗い星の観測のじゃまになることから、暗視野照明の必要性を感じていました。


直焦点撮影における暗視野照明の場合、CCD面の一部だけを光らせる工夫をしなければなりません。 すでに、LEDの光を光ファイバーでCCDのごく近くに導き、そこから照射する方法が考えられ、観測に用いられています。 簡単な工作で確実に照射できるたいへん優れた方法であり、筆者もホームページを参考にして作成し、しばらく使っていました。
ただ、得られた画像から光度を測定しようとしたとき、ファイバーからわずかに周囲に拡散する光の影響がでてきてしまいました。 保護ガラス面からCCDまでの距離が以外と大きいのが原因のようでした。そこで、もっと照射範囲を小さく絞る方法はないかと考えました。


図のように、ハイゲンスアイピースのレンズ1枚を紙製の筒に入れたプロジェクタを作り、斜め(軸外し)の位置からCCD上に 光ファイバーの一端の像を結ばせることを考えてみました。
一本のケーブルの中にファイバーは4本入っていましたので、秒信号と分信号のLEDそれぞれからくるファイバー1本ずつを一つに束ねる ことで、双方の像とも画面上に結ばせることができました。



中央の筒がプロジェクタです。先端のレンズで、CCD面に光ファイバー先端の像を結びます。
装置を下から見たところ。
像の上下位置の調節は、押し引きねじでおこないます 。
押し引きねじの上下に、左右方向の調節ねじが見えています。
分信号と秒信号の2本の光ファイバーは、一つにまとめられ、プロジェクタの後方に入ります。
分信号と秒信号のLEDはコネクタに直づけしてあります。 ここから紙製のキャップに取り付けられた光ファイバーにより、プロジェクタまで光が導かれます。